ドキュメンタリーが待っていた

マリオは、落ちた。今は落ちてよかったと思っている。しかし、落ちた。事実から目を背けてはいけない。堕ちたと、あえて表記しよう。
そう、3月になって、不合格の通知が、茶色の小さな安っぽい封筒に入れられ、届いた。不合格の文字が透けて読めるほどそれは薄かった。
速達だったような記憶がある。が、何度も書くが、このとき3月、だったのである。いくら、速達で送ってもらっても、弥生3月、春爛漫の青春の蹉跌なのだ。蹉跌。当時その文字は書けなかったが、読むことはできた。それは今も同じである。

マリオは、ともかく大学の門をあとにした。着の身着のままだった。

波乱を予感させる次号をまて