絵のない自画像-4
「細来数子の『あなたのPC除霊するわよ』」
「極意!妻たちのウラ家計簿テンプレート集」
「偽500円玉でわかる高価ソフト購入法」
「将軍様のPC破壊工作員ハンドブック」
「プロが教えるネット・ショップの畳み方」
「ワープロレタリアートのCG美学」
「サルでもわかるワープロ絵手紙」
「サルでもわかる粉飾データねつ造法」
「サルでもわかるウィルス免疫学演習」
この出版不況のさなか、書店ではパソコン関係の棚ばかりが賑わっている。
それにしても、サルが不愉快になるようなタイトルが並んでいるのに苦笑を禁じ得ないが、それが現実でもある。まさか、サルが読んでパソコンを使うとも思えないが、きっとサルに限りなく近いホモサピエンスの境界領域に生息する群が無謀にも崇高なるパソコンに挑戦しようとしているに違いない。それをサポートするための書籍なのだろうが、神への冒涜というほかない。あ、しまった。また懐でご主人様の草履を温めてしまっている…。「サルって言うなっ」
しかも、これらの書籍が、重版に重版を重ねているということは、もう、サルに近い群れがこの地球を乗っ取って、続「猿の惑星」になりつつあるというのも頷ける。あながち銀幕の世界だけの話ではないのかもしれない。