自分好みの「箱」

使いたいソフトは自分で選んで導入――インストールしてみたい。
そう思いませんか? お仕着せなんか嫌だ、そう思いませんか? え?思わない? 嗚呼。残念。その気持ちがない場合は、やはりメーカー製の新品お仕着せ高価格パソコンを知らずに不幸状態でお使いください。

それ以外の方々。そうです、必要とするソフトを「自分で」選んで、自分だけのパソコンに仕立て上げたい方、そんなあなたでしたら、大丈夫です。しかも、安く仕立て上げることができます。

かつて、アシストワードというワープロソフトが発売されました。1989年のことでした。アシスト社からです。

社長のビル・トッテン氏は、ワープロ表計算ソフトが高価なため、違法コピーがはびこる。ならば安く販売しようということ(だったと記憶しているんですが)アシストワードとアシストカルクというワープロ表計算のための2つのソフトを販売しました。どちらも9800円でした。

当時、世は「一太郎」と「ロータス123」全盛でしたが今と同様けっして安くはありませんでした。アシスト社はそれらに敢然と立ち向かったのでした。当時も今と変わらず貧しかった私は当然アシストワードとアシストカルクを購入しました。周囲では、なぜか一太郎のフロッピーを持っている人が多くいました。しかも、私製のFDです。不思議でした。
そう。当時一太郎のバージョン3は、フロッピー1枚で起動し作業できたんです。それがバージョン4になって、フロッピーが4枚になったんです。しかもバグだらけですぐにバージョン4.3になったんでした。バージョン3の三太郎に比べてできの悪い四太郎は、与太郎なんて呼ばれて可愛がられたものでした。カナ漢字変換のATOKは当時から素晴らしいスピードと変換効率を誇っていました。現在もファンが多く、ワープロはワードを使い、カナ漢字はATOKという人が多いようですね。結局、ビル・トッテン氏のアシストワード・カルクはかなく消えてしまったことはご存知の通りです。一太郎も、その後迷走し現在はビル・ゲイツのワードに圧倒的なシェアを許しています。それはそれはともかく・・・。