イタチごっこの軍配は?

アキレスが進む間に、先を行く亀はその半分の距離を進みます。すると、アキレスがいくら早く進んでも、その距離の半分を亀は先に進んでいるわけで、いつまでたっても追い越せない・・・。本来は、そうだったんですね。

だけど、絶対に追い越せないと思って気楽に走っていたアキレスくん。ふと、振り返ってみたらなんとそこに亀がいて恨めしそうに見上げているんですね。困ったでしょうね、お互いに。

ソフトとハードの関係はもっと激烈な競争、いえ、イタチごっこにありました。
そう、80年代から90年代の半ばごろを思い出します。

CPUの性能(周波数)が上がると、例えば、ワープロソフトが高機能化しました。
でも、さらに、ワープロは調子に乗って、様々な機能を取り入れます。すると、パソコンが追いついていかず、ともすると止まっちゃったりもしました。これは、カナ漢字変換によく見られました。

目にもとまらぬ速さでキーを叩いていると、変換が追いつかず、ギブアップしてしまうのです。パソコンが凍り付いたように止まってしまうことがよくありました。もちろん、目にもとまる速さでキーを叩いていても、よくありました。すると、それまでに打ち込んだ文章が、半分ぐらい消えちゃったりするんですね。
「嗚呼、今日俺はいったい何をしていたんだ」
そうなると、もう、職場は怒号と涙に包まれるのでした。だから、当時は、こまめにデータ保存しながら打っていたものでした。

すると、待ってましたとばかりに、ハードが新たに高機能化するんですね。おお。遅かりし。ってなもので、ソフトはまたまた、新しい機能を取り入れる。
え?そんな機能が必要なの?
でも、ハードはまたまた頑張ります。

それは・・・、
そう、果てしないイタチごっこでした。